Q&A (政策は?)

質問 行革は福祉の切り捨てではないのですか?

石川

いいえ、まったく逆です。清瀬市は多摩26市中最下位の財政力です。高齢化率もトップクラスです。それでもこれからは、福祉の予算も教育の予算も確保していかなければなりません。問題は、どうやって財源を確保していくのか、これが清瀬市の永遠のテーマです。
国や東京都からもっと補助金をもらってくるべきだという意見があります。「はい、どうぞ」とお金をくれるなら何の苦労もありません。国の借金は1000兆円を超えました。人口が減り、経済も停滞すると、借金をすればするほど次の世代の負担は大きくなります。私たちの子どもや孫の世代にこれ以上借金を押し付けるべきではありません。
借金を押し付けるのではなく、私たちの世代の責任で、市議会が事業を一つ一つ点検し、役割を終えた事業は勇気をもって廃止することが必要です。仕事のやり方を変えることで財源をつくりだすことは可能です。清瀬市では蛍光灯や乾電池の収集業務は、いまだに公務員である市の職員が直接行なっています。蛍光灯の収集は、公務員でなければできない仕事でしょうか? 民間に委託することで公務員人件費を削減し財源を作ることができます。これが私が訴えている行革です。

清瀬市では25年ほど前から行革を進めてきました。それ以前は、ごみの収集、学校・保育園の給食の調理、保育園・学童クラブの職員のほとんどは、公務員である市の正規職員が担ってきました。人口当たりで他市よりもはるかに多い職員数でした。「民間にできることは民間に」をスローガンに委託を進めた結果、2009年に市民1,000人あたりの職員数は10.6人であった職員数は、2021年には6.0人にまで減り、その行革効果を福祉や教育の充実にあてることができました。

民間への委託はこれからも進めながら、行革のもう一つの方策として、自治体DXと呼ばれるデジタル技術の活用で仕事の生産性を高める方法があります。市の職員の役割は、相談業務や施策の企画立案などに切り替わっていくでしょう。

行革は福祉や教育の切り捨てではありません。福祉予算・教育予算を確保するためにも必要な改革であることをどうぞご理解ください。

質問 保守なんですか? 革新なんですか?

石川

保守、革新という分類法は、もはや私にはまったく理解できません。憲法を守れと訴える共産党が革新で、財政構造改革を訴える自民党が保守では混乱します。
「保守」と「リベラル」という基準のほうが今の時代には相応しいと思います。
まずはじめに「リベラル」ですが、これは人間の理性に無限の価値を置き、理性に基づいた社会設計をおこなえば理想の社会が実現できるという考えかたです。フランス革命のリーダーたちはこうした考え方を持っていたと思います。一方で「保守」とは、人間の理性は完全ではないから、そうした理性に基づいた社会変革には危ういものがある。それよりも理性を超えた慣習や良識にこそ重要な英知があるという考えです。誤解している人が多いのですが、「保守」に対抗して「リベラル」が生まれたのではなくて、「リベラル」な革命であるフランス革命に幻滅した人たちが「保守」思想を体系化していった、という順序です。
一方で「リベラル」には「寛容」に近い語感があります。何に対する寛容かと言うと、「多様性」です。清瀬にも、障害を持つ人、外国人など、いわゆるマイノリティー層が多く存在します。そうした人々が自分らしく能力を発揮できる社会を目指しています。他者に対して寛容な社会は、自分にとっても生きやすい社会だと思うのです。自分とは違う価値観を持つ他者に対する「寛容」がリベラルだと考えています。
私自身は若いころはリベラルを自負してきました。50歳を超えてからは、保守の考え方も理解するようになりました。保守とリベラルは対立する概念ではありません。理想は持ちながらも現実の制約の中で最適解を見出していく、そういう政治家になりたいと思っています。

質問 外国人の人権問題に取り組んでいるそうですが、参政権についてどう考えていますか?

石川

多文化共生社会を訴えていますが、それ以前に日本に定住する外国人がまだまだその能力を発揮できない状況に置かれています。日本語が十分でない子どもに対しては義務教育でも特別な支援を行う必要があります。多様な文化的背景を持つ人たちが活躍できる社会のほうが、日本社会そのものを開かれた強い社会にすると思っています。芸能界、スポーツ界をみても、外国にルーツを持つ人々が活躍することで、日本社会そのものが豊かになっています。
ただし外国人参政権については、外国人の権利義務について国の法律で明確にしてからの問題だと思っています。